「Fernando Pessoa / O Fado e Alma Portuguesa」(フェルナンド・ペソア集 / ファドとポルトガルの魂)というCDが2013年末にリリースされて、私もすぐに購入しました。
『フェルナンド・ペソア(1888-1935)は、ポルトガルの紙幣にもなった国民的作家。日本でもその訳書が何冊も刊行されている。そんなペソアの詩は、90年代以降に登場した新世代がこぞって取り上げ、現在ではファドに欠かせない詩人となった。本作ではジョアナ・アメンドエイラ、アナ・ラインス、アナ・モウラ、マリーザ、カティア・ゲレイロ、ミージア、クリスティーナ・ブランコ、エルデル・モウティーニョなど現在のシーンで重要なシンガーたちがペソアの詩をうたっている作品を集めた。しかも、全20曲中6曲もこの作品のために新たに録音した音源を収録。ファド・ファンはもちろん、愛読者が多いペソア・ファンにもおすすめしたい1枚だ。(メーカー資料より)』
私には、かねてから曲をつけてみたいと思っていたペソアの詩があります。
「Canção」“うた”という、とても神秘的な詩です。
その詩を日本語詞にして、曲をつくるという初の試みに挑戦しました。
そして昨日、詩にふさわしい美しいメロディが完成し、「Canção」が歌になりました。
槇の、初めてのオリジナル曲です。
ポルトガルよりはるか東の日本から、このCDの素晴らしいファディシュタたちのお仲間にそっと加わったつもりになって、Cançãoを皆様に聴いていただける日を心待ちにしております。
次のLIVEが決まりますまで楽しみにしていてください。
Canção Fernando Pessoa
Silfos ou gnomos tocam?…
Roçam nos pinheirais
Sombras e bafos leves
De ritmos musicais.
Ondulam como em voltas
De estradas não sei onde
Ou como alguém que entre árvores
Ora se mostra ou esconde.
Forma longínqua e incerta
Do que eu nunca terei…
Mal oiço e quase choro.
Por que choro não sei.
Tão tênue melodia
Que mal sei se ela existe
Ou se é só o crepúsculo,
Os pinhais e eu estar triste.
Mas cessa, como uma brisa
Esquece a forma aos seus ais;
E agora não há mais música
Do que a dos pinheirais.